京の節分(2)蘆山寺鬼法楽(鬼おどり) [京の歳時記2月]
2008年は紫式部の源氏物語ができて1000年でした。その式部が生まれて育ち、亡くなった曽祖父の屋敷があったとされるのが蘆山寺。現在は円浄宗の大本山となっていて、夏には見事な桔梗が咲き「源氏庭」と名がついています。
NO2738蘆山寺門と本堂(左)とNO2524源氏庭に咲く桔梗
NO0706022901源氏庭の石碑とNO070629016月の源氏庭にすでに桔梗咲く
蘆山寺は天慶年間(938~947)に元三大師良源によって北山に創建されました。修行中に邪魔をしに来た鬼を退散させたという故事にならって、追儺式鬼法楽という行事が誕生しました。
節分の2月3日に行われる鬼法楽は境内に花道舞台が作られ、松明と宝剣を持った赤鬼、大斧の青鬼、そして大鎚の黒鬼の順で登場します。その形相、すさまじいようで何やら柔和なに感じるまことに不思議な面構えです。三鬼は人間の三毒(貪欲、怒り、愚痴)を表すようですが、その感じを与えません。足を踏み鳴らし、足拍子をとりながら歩きます。スローモーションで踊っているようにも見えます。そのために鬼の毒気や恐怖といったマイナスイメージが遠のいています。
NO07062905追儺師などの登場とNO07020309寺宝の元三大師降魔面などを本堂へ運ぶ
NO07062906お釈迦様にちなみインド舞踊奉納は不思議な空間をつくるも仏教の故郷でもあるので
NO05020302三鬼の登場踊り、同じくNO151舞う三鬼
NO05020302同じく踊る三鬼と同じくNO07020301松明持つ赤鬼と大斧持つ青鬼
NO07062903赤鬼の踊りとNO07062907黒鬼の踊り。右端はNO07020304青鬼の踊り
NO05020303逃げまどう三鬼と同じくNO07062908逃げ出す三鬼
NO10020304三鬼背中を向けて逃げる
やがてお堂に消えた鬼たちの運命はいかに。実は堂内では僧侶によって護摩祈祷が行われており、鬼が退散させられる読経があげられています。その間に弓と矢による邪気を退散させるため四方の空に向けて射る所作があります。すると堂内から消えた鬼たちが武器を持たずに来た花道をあわてふためいて戻っていきます。これまた踊るように進みます。ユーモラスで見ている方は楽しくさえなってきます。鬼踊りという別名がつくのも道理です(小学館発行・「はなまる元気08年2月掲載」の当方原稿に加筆)
NO07020303鬼の邪気を払う弓射る追儺師とNO07062909餅と豆をまく境内
NO150鬼のお加持と同じくNO10020306お加持の鬼と参拝者
NONO10020301お加持の出番待ちの鬼
なお、予断なれどこんなショットも左はNO10020307鬼の履物(舞台から降りて履く)とNO10020302幟はためく境内の外
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