京の雪景色(7)法然院と哲学の道界隈 [京の季節イメージ]
2011年は大晦日から元日にかけて、1月9日・16日・17日と積雪が続いた。日中も降るので路面が凍結したままだ。雪景色は早朝撮影がベストなので冷たく、寒い。とくに16・17日は最低気温は氷点下となった。なかなか遠出が難しくついつい近場の撮影となることも多い。法然院界隈には銀閣寺、法然院、安楽寺、霊監寺とそれらをつなぐ哲学の道があり、西には吉田山や真如堂、黒谷金戒光明寺と雪景色の似合う場所が多い。あえて法然院界隈としたのは銀閣寺が開門9時という時間でしか撮影できないからだ。もちろん事前申し込みをすれば可能だろうが雪相手では日時を決められないのだ。
哲学の道には疏水の流れの両側は民家が迫っている。その典型的な雪景色
NO11011702南田町界隈(左)とNO11011701久保田町界隈(右)
NO11011713銀閣寺道疏水(左)とNO11011712南田町界隈
NO11011706安楽寺(左)とNO11011707霊鑑寺(右)は共に拝観謝絶なので門前しか撮れない
法然院はそのまま大文字山への登山ができるくらいで森の麓にある。いつも静寂そのものだ。
NO11011703法然院の森入口(左)とNO11011710参道の根っこ道
NO11011704山門は茅葺き(左)とNO11011714表参道
NO11011715本堂(左)とNO11011720白砂壇(右)
NO11011716山門からの雪景色(左)とNO11011709額縁雪景色
NO11011718雪融け門(左)と雪融け山門(右)
NO11011717白大文字(左)とNO11011722安楽寺の雪に埋もれた千両
京の雪景色(6-2)大原・天台寺院 [京の季節イメージ]
声明流れる村里と呼ばれる大原は天台宗の里でもある。三千院、勝林院、実光院、来迎院、宝泉院が里の東側、寂光院が西側に建つ。禅宗のように広大な敷地の入口に門があり、末寺があるという配置ではない。いわば天台村とも呼ぶべき趣であろうか。その中でも格段に威容を誇るのは三千院だろう。皆さんが観光で行かれた時に入る門からして「御殿門」と呼んでいる。城郭のような石垣が入口や周囲を囲っているのだ。その門前一帯の参道や呂川と律川に沿ってこれらの伽藍群が並んでいる。
三千院
NO08012603 庭園有清園(左)とNO1575同じ園(右)は色温を変えています
NO08012604石仏付近の東屋からの雪景色(左)とNO08012605観音堂
NO08012607雪の中に咲く椿(左)とNO庭園を流れる律川
参道沿いの寺院
NO08022902伽藍をつなぐ表参道(左)とNO08012614参道志明橋
NO1577勝林院(左)とNO08022901宝泉院
NO08012612実光院玄関横の千両(左)とNO08012611b実光院庭園
NO08012613雪で埋まる参道(左)とNO09012615硝子戸越しの実光院契心園
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京の雪景色(6)大原・里景色 [京の季節イメージ]
雪が降ると京都の奥座敷貴船、鞍馬、大原などはしばし交通が遮断されることが過去多かった。近年大原への道は殆ど拡幅されてバスが履行できる広さになってきた。三千院をはじめとして天台宗の寺院を抱える里は雪が降り続いても観光客が来る。民宿も多くあって雪は雪で人気があるようだ。なるほど寺院の庭園は新緑や紅葉とちがう凛とした雰囲気がある。寒さと冷たさがそうさせる。まるで修行僧のような気持ちが訪れる人の中に入り込んでくるからだろうか。
大原には8つの村々からなっていてかなり地域性が高く、文化・風俗も異なるものも多い。地域の東側に幹線道路国道361号線、並行して高野川が流れ村を東西に別けている。北東部に天台宗寺院が並び、山は比叡山につながる。西は田園風景が広がり金毘羅山などが背後にある。だから雪景色は山々と寺院や庭園に二分されるのだ。361号線は少し高台を走るので西の地域は見渡せる。一方西からは山側は高くなっていくのでこれまた村全体を見渡せるのだ。雪景色ではないが東の山々と里はこう見える。
NO09091901夏の終わり・東側の里(左)とNO09010301同じく冬景色
NO08012610C野村町方面(西側)(左)と08012608B三千院南参道界隈の民家
NO1574同じく参道側からの民家(左)とNO1570雲が作られる山
NO1571西側の山と民家(左)とNO08012809C参道界隈の民家の地蔵
上野町は「お弓」という行事が雪の季節(成人式)にある。田んぼに立てた竹の的を手づくり弓で成年になる若者が射るお祝いごとの風習。
NO09011202弓を放つ成年(左)と09011203弓の的となる竹編み的
次回は三千院など寺院庭園雪景色
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京の雪景色(5)深泥池と宝が池 [京の季節イメージ]
宝が池と深泥池は兄弟のような池である。「高山」を挟んで東西に位置している。この季節はとにかく灰色の中にある。とくに深泥池に映る草木は太陽光線の関係で寒々とした水面を作り出す。この池は市民公園になっていない分、自然が残っている。周囲は1.5キロの小さな池。病院や民家もすぐ側にまで立ち並ぶが、1万年以上前の氷河期の植物群が今なお見れる貴重な場所でもある。記念物に指定されてはいても観光地とはなっていないので静かなたたずまいである。
宝が池は市内でも最大の市民公園となっていて、北側には国立国際会議場のコンクリートの建物が建つ。しかし、背後には比叡山が見えて京都の象徴的な風景を作り出している。しかも池周りは両方とも1.5キロなのに水面のひろさが全く違う。宝が池は、水面の広さが会議場から見た風景に会議の疲れをいやすリゾート地風なのだろう。深泥池は国の天然記念物に指定されていて、浮島が多くを占める。こちらは池そのものが研究対象なのである。
深泥池(みどろがいけ)
NO09011209荒涼とした浮島(左)とNO09021208浮島の樹木
NO11010501池の南端から北方向(左)とNO110101502池に住むカモ
NO09020511積雪の日の出(左)とNO09011203同じ日の池西端の樹木
NO09011203池西から東方向(左)とNO09011202その背景風景
NO09011204新雪の池の周り径(左)とNOHI3E0062池西南の桜の冠雪
NO10020601雪解けの晴れ間(左)とNO10020602雪に着いた足跡
宝が池
NO08022401宝が池と国際会議場(左)とNO08022402ボート乗り場
NO08022406池の西端から池を見る(左)とNO08022405周遊小道から見る池と松が崎山(右)
NO08022408宝が池と比叡山(左)NO08022407(右)
京の雪景色(4)下鴨神社・糺の森 [京の季節イメージ]
糺の森は不思議さ漂う森だ。なぜなら街の中に忽然と姿を現し、森の中に流れ込む泉川はコンクリの土手からいきなり自然の流れとなってしまう。そして観光客や参拝客でいつも人が通り、バスが駐車する。そのくせ太陽がほとんど当たらない。しかし、まぎれもない森だと感じる。清水の森と違うのは山でなく三角州の終点にできたことだ。だから人がいつでも入れるのだ。雪景色は下鴨神社の建物近くではなく、南に位置する河合神社付近、泉川、瀬見の小川あたりの方が雪をひきたててくれる。京都市内で最も紅葉が遅く雪の便りとともに見ごろを迎えることもしばしばある。
私は20代の10年間を森まで歩いて5分とかからないところに住んでいた。今でも歩いて20分のところだ。それだけに散歩道でもあるのだが、泉川があまりにも原始的な流れなのでどこから水が入ってくるのか源流を探し求めたことがあった。しかしやはり街だ。川は直前までコンクリの川底と堤防で住宅街を流れていた。森に入ったとたんに変わることを知り「街の森とはこういうことなんだ」と知ることとなった。
先ほどほとんど光が差さないと書いたが、実は森には西に馬場があってここは巨大な光線を運んでくれる唯一の場所なのだ。だからこの巨大な光エネルギーが森の生命をはぐくんでいるのだろう。ここ数年で森は立ち入り禁止を少なくしたようだ。散策路を増やしたのだ。今や森の秘鏡は本殿の裏側のみとなった。
紅葉との共生雪景色
NO05121804泉川の秋と冬(左)とNO05121805参道の紅葉と雪
NO05121801河合神社鳥居(左)とNO05121802河合神社近くの瀬見の小川の清流
上の写真は05年12月18日撮影だからこの地の紅葉がいかに遅いかがわかる。
NO08020901泉川上流(左)とNO08020902泉川下流(森の中間地点の石橋で上下に分けた)
NO08020910糺の森馬場を南から北方面(左)とNO08020912北から南方面
NO08020908河合神社の東の森(左)とNONO08120915河合神社鳥居付近
NO08120906降りしきる雪の中の河合神社舞殿(左)とNO08120907河合神社と奥の森
NO08120903瀬見の小川から馬場の木立(左)とNO08120909鳥居の奥の森
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京の雪景色(3)清水寺 [京の季節イメージ]
清水寺は京都市内観光客数の多さでは何十年も第1位を維持してる。いやすでに平安時代の紫式部でさえもその観光地としての存在を認識していたようだ。積雪で始まった2011年の清水寺からの雪景色は大都会の風景ではない。眼下に森があるためだ。そして市街地を飛び越えて西山の山並みが見えてくる。街は小さく見えるのだ。京都が盆地であることを認識させられる。
この寺の開門が6時と言うことが大きい。近年太陽が昇りだすとたちまち雪化粧が消えてしまう。それだけに早朝に清水に出かければ遠く西山までも化粧する姿にお目にかかるのだ。金閣寺が山下の平地にあるが高台の森を抱える観光地はまさに王者のロケーションを有しているわけだ。さらには界隈には八坂の塔や産寧坂などの建造物保存群が客を引きつける魅力を発散している。それもこれも雪化粧するのだ。
NO10020715清水の森と向うに西山(左)とNO10020712雪降りしきる三重塔
NO10020707森と伽藍群と西山(左)とNO10020713本堂舞台も雪化粧
NO10020709白の中に赤の伽藍(左)と三重塔
NO10020703清水の舞台(左)と奥の院(右)は仏様が雪の中輝く
NO10020704音羽の滝界隈(左)と舞台下の雪化粧(右)
NO10020702三重塔は清水風景には不可欠(左)とNO10020716奥の院からでも見えなくなる雪景色。激しい雪で舞台の立ち入り禁止が余儀なくされることもしばしば。滑るのだ。
NO10020717雪化粧の中でも仏様が輝いて見える(奥の院)
NO10020701界隈の八坂の塔と弥栄通り(左)とNO10020708産寧坂
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京の雪景色(2)金閣寺 [京の季節イメージ]
大晦日1日中雪が降り積雪が9センチとなった京都市内は一夜明けて天気が回復し穏やかな元日となった。気温は最高5度まで上昇したことと太陽の日差しで13時には積雪深は0で気象台の予想を覆す結果となった。それでも午前中は前日の雪が6~5センチ残り、青空が見えたこともあって北区・金閣寺の雪化粧を見ようと開門から多くの観光客や市民が並んだ。
鏡湖池に写る金閣を正面で見ることができる入門してすぐの撮影スポットはラッシュ並みの混雑となり、日本語だけでなく中国語、韓国語、英語などの言葉が飛び交っていた。しかしなんといっても中国語が圧倒しそのパワーを見せ付ける格好となっていた。また、この日は前日の雪が池にたっぷりとつまった雪氷状態となり金閣が写らないという珍しい景色が出現した。足元が悪いこともあって日本人がいわゆる晴れ着を着ての観光やお参りと言う姿は全くなく、中国語とともに日本を代表する観光地での様変わりを実感させた。
NO11010113雪氷池になった鏡湖池と金閣(左)とNO11010129池に浮かぶ葦原島など
NO11010118金閣の東面(左)とNO11010121雪に埋まって見える金閣
NO11010117金閣の青空(左)とNO11010126金閣寺垣と参道
NO11010125休憩所の番傘(左)とNO11010124雪に落葉したもみじ
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京都の雪景色(1)洛北 [京の季節イメージ]
12月31日の京都は日中の気温が-1.1度まで下がり雪が降り続いた。市民感覚からすると初雪が大雪という珍しい大晦日となったものの、観光化客は金閣寺や清水寺の雪景色に盛んに写真を撮る姿が目立った。中心部よりも積雪の多い洛北の上賀茂神社や賀茂川上流はとても短靴では歩けない状態となった。
洛北屈指の観光地でもある上賀茂神社は大晦日に終日開門することもあって準備に追われていた。大雪で作業が遅れ気味ながらテント張りなどはすでに設置されていたこともあって接待の飲食類の運びこみに多少の難渋が予想される。そんな中で観光客は降りしきる雪の中足元を気にしながら参拝と撮影にと楽しんでいた。雪は元日にも降り平地で10センチ、山間部で50センチとし、引き続き大雪注意報が発令されている(31日11時現在)
写真はグーグル変換の携帯でも表示されるように小さくしていますがリンクで大きくサムネイル表示されます。
上賀茂神社界隈
NO1559細殿と白砂盛り(左)とNO1562桜門
NO10123170境内、御手洗川周りの樹木(左)とNO10123162(右)は色温を下げました
NO1536参道西の馬出の桜(左)とNO10123165境内一面白化粧(色温5000度)
NO10123150御園橋下流の賀茂川(左)とNO10123156
NO1564深泥池(左)とNO10123172(携帯写真)
NO10123158上賀茂社家(左)とNONO10123157
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大原の里の彼岸花群生 [京の季節イメージ]
NO2589 大原の里 彼岸花
NO1465 彼岸花 大原
三千院から寂光院にむかい高野川の橋を渡り、院への細道に入らずに南に下がると、大原の里の景色がひろがる。日本各地に見れる風景だろうか。ただ、一昨年から土地改良工事を行ったので群生の数は減った。大原の道の駅を目安にでかければOK。撮影は06年9月27日。
京都写真紀行では京の花名所>初秋~晩秋(上) 京の季節イメージ>秋 (下)
なお、こちらは寂光院道にある民家の回りの彼岸花。百日紅も同居した風景。09年9月28日撮影
番号なし 大原の彼岸花